終わりゆく世界でふたりは『さいはての終末ガールズパッカー』

絶対に、私があなたを助けてあげる。
百合濃度
『さいはての終末ガールズパッカー』
著/藻野 多摩夫(ものたまお)
イラスト/みきさい
出版/電撃文庫
記憶を失った自動人形《オートマタ》の少女リーナ。
出来損ないの人形技師でトラブルメーカーのレミ。
「ねえ、レミ。私、もうすぐ死んじゃうかもしれないんだ」
「リーナは私が直してあげるから!」
リーナの死を食い止めるため、二人の少女は東の果てにあるという《楽園》を目指す。
――きっと間に合わない。でも、最後の最後までレミと一緒にいたい。
・ディストピア作品が好き
・振り回される百合が好き
・切ないストーリーが好き
これは優しさと勇気に触れる物語。
『さいはての終末ガールズパッカー』はこんな人にオススメ
ディストピア作品が好き
ディストピアはユートピア(理想郷)の逆の世界のことです。
舞台は一面雪に覆われた銀世界。
太陽はいつか燃え尽きてしまう。
残酷で、でも時に美しくあたたかい。
吹雪舞う世界でリーナとレミはでどうやって生きているのか?
ふたりと一緒に旅をしているように物語の中に入っていけます。
振り回される百合が好き
好奇心の赴くまま突っ走る元気な人形技師のレミに
自動人形《オートマタ》のリーナはいつも振り回されっぱなし。
たまにムッとすることもあるけれど、でもそんなレミに元気や勇気をもらっています。
一緒に居て本当に楽しいんだろうなぁということが伝わってきます。
切ないストーリーが好き
リーナはレミにゼンマイを巻いてもらわないと動けません。
自分ひとりでは生きられないこと。
自分の命を救うためにレミを危険な目に遭わせてしまうこと。
リーナもレミも、お互いを大事に思っているからこそ、
二人が決断を迫られるシーンは心がキュッと締めつけられます。
その他の登場人物のストーリーも切ないものばかりです。
『さいはての終末ガールズパッカー』感想、好きなポイント
おしどり夫婦のようなリーナとレミにほっこりしました。
(百合の場合はなんて言うんでしょうか…おしどり百合?)
あなたが居ないと生きていけない、私が生きるにはあなたに苦労をかけないといけない、
そんな葛藤と戦うリーナと、ぜんぶひっくるめてリーナと一緒に居たいレミ。
切なさよりも優しさを感じる作品だと思います。
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