頭蓋骨に秘密のキスを『ミウ -skeleton in the closet-』
自殺した元同級生のSNSのログインできたら、あなたは何をしますか?
百合濃度
『ミウ -skeleton in the closet-』
著/乙野四方字(おとのよもじ)
イラスト/カオミン
出版/講談社タイガ
就職を前に何も変わらない灰色の日々。あたしは何気なく中学の卒業文集を開き、『母校のとある教室にいじめの告発ノートが隠されている』という作文を見つける。それを書いた元同級生が自殺したと知ったあたしは、その子のSNSのパスワードを暴いてログインし、その子の名でSNSを再開した。数日後、別の元同級生が謎の死を遂げる。灰色の日々に、何かが始まった――。
・ネタバレ厳禁な話が好き
・自分の世界をつくりたい
・ふたりだけの関係性によわい
”skeleton in the closet”の意味を、あなたはずっと忘れない。
『ミウ -skeleton in the closet-』はこんな人にオススメ
ネタバレ厳禁な話が好き
あらすじにもある通り、元同級生が謎の死を遂げます。
「あの子はどうして死んだの? もしかして誰かにやられた? 犯人は誰?」
という推理小説でもあるのですが、この作品にはいくつもの謎があります。
それらがすべて明かされるラスト10ページの衝撃を、ぜひ味わってほしい。
自分の世界をつくりたい
ネタバレしたくないので説明がむずかしいのですが、
「自分がここに居てもいいんだ」と心の底から思える居場所を、
誰かにつくってもらえるくやしさとくすぐったさ、がつまった瞬間があります。
その箇所を何度も読み返したくなる、ほかにも何度も読み返して
沁みこませたくなるような瞬間の多い作品です。
ふたりだけの関係性によわい
表紙の女の子ふたりは、学生のころ、どんな関係だったのか。
物語が進むにつれ、肩書きが変わり、ラストには…。
すべて読み終わったあとに表紙のイラストの細やかさに気づきます。
『ミウ -skeleton in the closet-』感想、好きなポイント
ラストまで読んで「うわー、好き…!」っていう感情が胸いっぱいに満たされました。
作中で人は死んでるし、ハッピーかと言われると大きく頷くことはできないんですけど、
このふたりの関係性の行きつく先が…もう…!
タイトルの回収もお見事。 ひとつ謎が明かされるごとにアドレナリンが出ます。
ネタバレを見ずにぜひ読んでほしい作品です。
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