孤独な魂を描いたゴシック幻想ホラー『感応グラン=ギニョル』
残酷と耽美が共鳴する。
百合濃度
『感応グラン=ギニョル』
著/空木春宵(うつぎ しゅんしょう)
装画/machina
出版/東京創元社
昭和初期、浅草六区のアングラ劇団。
高い塀で外の世界と隔絶された学校に閉じ込められて三年間を過ごす女生徒たち。
時代も場所も異なる世界に生きる、孤独な魂を描いた全5編。
・退廃的、アングラな世界観に惹かれる
・SF初心者
・世界が変わる体験がしたい
濃密な痛みと悦びをともなう読書体験。
『感応グラン=ギニョル』はこんな人にオススメ
退廃的、アングラな世界観に惹かれる
見てはいけないような、でも目が離せない美しさをはらんだ短編集です。
断言します。
ヴィレッジヴァンガードで、
細い線で緻密な描き込みがされた装丁の本を
思わず手にとってしまう方は絶対に好きです。
SF初心者
「SFって難しそう…」「科学や化学やロボットはよく分からないかも…」
と距離をとってしまっている方にも、本作はオススメできます。
とくに表題作の『感応グラン=ギニョル』や『徒花物語』は
レトロな雰囲気で純文学のような趣があり、
その骨太な世界観にすぐ惹きこまれます。
もしAIを扱った『地獄を縫い取る』で描かれた技術に興味をもったら…
SFニガテという気持ちはどこへやら、
怖いもの見たさはきっと止まらないでしょう。
世界が変わる体験がしたい
大袈裟ではなく、読む前と読んだ後では世界が変わります。
ある人には忘れられない作品になり、
またある人はもしかしたら性癖が歪むかもしれません…。
また、江戸川乱歩など、いろいろな作品の影響やオマージュが散りばめられているので、
そちらに興味が出た方は新しい読書の扉を開くきっかけにもなります。
『感応グラン=ギニョル』感想、好きなポイント
とっても好きな世界観でした…。
覗き穴からこっそり見ていたつもりが、
ズルッと外に引きずり出されたような…そんな感覚です。
伝わって…!
私はロリィタ文化やヴィジュアル系が好きなので、
ゴシックやホラーにもともと惹かれる傾向があるのですが、
上記のような世界を覗いたことがない方にもハマってるところを度々見かけます。
各サイトで試し読みができるので、ぜひ数行だけでも触れてみてほしい…!
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