あなたはこの奇書を最後まで読み切れるか『〔少女庭国〕』
どこまでも続く部屋に、中3女子がまたひとり。
百合濃度
『少女庭国』
著/矢部嵩(やべたかし)
イラスト/焦茶
出版/早川書房
卒業式会場に向かっていた中3の羊歯子は、気づくと暗い部屋で目覚めた。
隣に続くドアには貼り紙が。
“下記の通り卒業試験を実施する。
ドアの開けられた部屋の数をnとし死んだ卒業生の人数をmとする時、n-m=1とせよ”。
ドアを開けると同じく寝ていた女生徒が目覚め、やがて人数は13人に。
不条理な試験に、彼女たちは…。
・女子だけの世界が好き
・奇書を読んでみたい
・残酷なストーリーもやぶさかではない
女子だけの果てしない物語。永遠への絶望。
『〔少女庭国〕』はこんな人にオススメ
女子だけの世界が好き
中3女子がたくさん出てきます。
けれど、おそらく、いま想像したものとはまるで違う世界の作品です。
理不尽な状況に置かれた女子だけの世界。
甘々な百合はいっさい出てきません。
奇書を読んでみたい
起承転結とか、登場人物の感情の起伏とか、
慣れ親しんだ読書とはかけ離れています。
制限された空間の中で無限に広がる作者の思惑に飲み込まれる快感と恐怖を味わう、
特殊な読書体験です。
残酷なストーリーもやぶさかではない
ドアの開けられた部屋の数をnとし
死んだ卒業生の人数をmとする時、n-m=1とせよ
この不条理な卒業試験を突きつけられたとき、
あまたの中3女子がどう動くのか。
まるで研究論文かのように、彼女たちの行動を細かに記録したストーリーです。
『〔少女庭国〕』感想&好きなポイント
めちゃくちゃつらかった!本当に頭がおかしくなりそうでした…。
つまらないという意味ではないです。
むしろ引きこまれてしまう。
残酷なシーンも淡々と進むので、論文を読んでいる気分になります。
百合を感じられる女の子は数名で、
たくさんの話の中でもその数名のエピソードが印象的でした。
奇書とはどんなものなのか?
気になる方はぜひチャレンジしてみてください…。
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